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日商簿記3級には、パソコンで受けるネット試験(CBT方式)と、紙で受ける統一試験の2つの受け方があります。どちらで受かっても、合格の扱いは同じです。出題範囲も同じ「出題区分表」に基づいています(日本商工会議所の発表)。
違うのは、いつ受けられるか、どこに申し込むか、どう答えるか、結果がいつわかるかの4つです。特に申込先は、ネット試験がテストセンターなどの会場、統一試験が地域の商工会議所と、まったく別の窓口になります。
この記事では、2つの試験の違いを表にまとめたうえで、それぞれの申込方法、当日の流れ、ネット試験の入力のルール、どちらを選ぶかの判断を整理します。情報は2026年11月2日時点で、日本商工会議所と各地の商工会議所の公式サイトで確認したものです。
ネット試験と統一試験の違い(早見表)

| 項目 | ネット試験(CBT) | 統一試験(ペーパー) |
|---|---|---|
| 日程 | 各会場が決めた日に随時。統一試験の前後に休止期間あり | 年3回。2026年度は2026年6月14日・11月15日・2027年2月28日 |
| 申込先 | ネット試験の会場、または日商簿記の申込専用ページ | 受験する地域の商工会議所 |
| 受験料(3級) | 3,300円(税込)+事務手数料550円(税込。会場により0円から異なる) | 3,300円(税込)。別に手数料がかかる地域がある |
| 試験時間 | 60分 | 60分 |
| 答え方 | パソコンで入力。仕訳はプルダウンで科目を選ぶ | 答案用紙に鉛筆などで書く |
| 計算器具 | 電卓(計算機能のみ)。そろばんは不可 | 電卓かそろばんのどちらか1つ |
| 合否 | 試験終了後すぐ、自動採点で判定 | 後日、受験した商工会議所が発表 |
| 合格証 | デジタル合格証(PDF)。紙・カードの合格証はない | 合格証書(配り方は商工会議所ごとに異なる) |
| 合格の扱い・出題範囲 | 同じ(出題区分表も同じ) | |
出典:日本商工会議所「ネット試験について」「2026年度試験日程カレンダー」「受験の申し込みの流れ」。統一試験の手数料は地域の例として、京都商工会議所はインターネット申込のシステム利用手数料550円(税込)を案内しています。
3級の試験そのもの(3題以内・60分・70%以上で合格)は、どちらも同じです。合格点と配点、合格率の推移は簿記3級の合格点と配点、合格率の推移にまとめています。
ネット試験の申込方法と日程

申込みは2つの方式
日本商工会議所の案内によると、ネット試験の申込みには「インターネット申込方式」と「会場問い合わせ方式」の2つがあります。どちらも申込専用ページで手続きし、最初にマイページを作ります。2つの方式は申込みのしかたが違うだけで、試験の内容は同じです。
- インターネット申込方式:申込専用ページで会場と日時を選んで申し込む。日商簿記(2級・3級)は、日本商工会議所が業務を委託している株式会社CBT-Solutionsの申込専用ページを使えます
- 会場問い合わせ方式:希望する会場に直接問い合わせて申し込む。窓口や電話の対応は会場ごとに違います
支払いは、クレジットカードかコンビニ/Pay-easyです。受験料は3級で3,300円(税込)、ほかに事務手数料が550円(税込)かかります。事務手数料は会場によって0円から異なります。
試験日は会場が決める
ネット試験の日程は、各会場が任意に決めています。定期的に実施する会場と、受験者の希望に応じて随時実施する会場があります。日本商工会議所は「試験日の間際でも、受験申し込みが可能」と案内していますが、何日前まで申し込めるかは書いていません。希望の日時が埋まることもあるので、受ける週が決まったら早めに予約しておく方が安全です。
休止期間に注意する
ネット試験には、統一試験の前後に休止期間があります。2026年度の簿記2級・3級の休止期間は次のとおりです。
| 休止期間(2026年度) | 近い統一試験 |
|---|---|
| 2026年4月1日〜4月13日 | (年度はじめ) |
| 2026年6月8日〜6月17日 | 第173回(6月14日) |
| 2026年11月9日〜11月18日 | 第174回(11月15日) |
| 2027年2月22日〜3月3日 | 第175回(2月28日) |
出典:日本商工会議所「ネット試験について」「2026年度試験日程カレンダー」。
この記事を書いている11月上旬は、ちょうど11月9日からの休止期間の直前です。また、2027年4月1日からは出題範囲が変わるので、今の範囲でネット試験を受けられるのは、休止期間を除いて2027年3月31日までです。2027年度の休止期間は、まだ発表されていません(2026年11月2日時点)。
統一試験の申込方法と日程

申込先は受験する地域の商工会議所
統一試験の申込みは、受験したい地域の商工会議所で行います。申込期間・申込方法(窓口・インターネット・郵送)・受験料の払い方は、商工会議所ごとに違います。日本商工会議所は、試験日の約2〜3ヶ月前を目安に、受験希望地の商工会議所に確認するよう案内しています。
2026年度の統一試験の日程と、申込みの状況は次のとおりです。
| 回 | 試験日 | 申込み |
|---|---|---|
| 第173回 | 2026年6月14日(日) | 終了 |
| 第174回 | 2026年11月15日(日) | 9月28日から順次受付、10月21日に受付終了 |
| 第175回 | 2027年2月28日(日) | 1月中旬頃から各地の商工会議所で受付開始(2・3級のみ) |
出典:日本商工会議所「2026年度試験日程カレンダー」、第174回の申込み案内・受付終了のお知らせ(2026年10月21日)。受験料は3級3,300円(税込)。
統一試験をやっていない地域もある
見落としやすいのが、すべての商工会議所が3級の統一試験をやっているわけではないことです。たとえば、名古屋商工会議所は2026年度の要項で、1級だけを施行し、2・3級の統一試験は施行しないとしています。名古屋市内で2・3級を受けたい人には、ネット試験か、近くの別の商工会議所での受験を案内しています。
また、京都商工会議所は、第173回・第174回は3級を施行しますが、第175回(2027年2月28日)は施行しないと要項に書いています。統一試験で受けたい人は、まず受けたい回を、その地域の商工会議所がやるかどうかを確かめてください。
地域の要項の例(京都商工会議所・第174回)
地域の運用がどのくらい違うかの例として、京都商工会議所の2026年度の要項を見ると、次のようになっています。
- 申込期間:2026年9月28日〜10月13日。インターネット申込のみ。システム利用手数料550円(税込)
- 3級の試験開始:11時から(60分)
- 合格発表:11月30日。ホームページの合否照会で、合否と大問ごとの得点が見られる
- 申込み後の取消し、受験回・受験地・級の変更、ネット試験への振替はできない
※京都商工会議所「2026年度 日商簿記検定試験 統一試験(ペーパー方式)実施要項」による。ほかの地域では期間・時刻・発表日が違います。
申込みから合格までの手順を並べて比べる
2つの試験の手順を、順番に並べるとこうなります。
| 手順 | ネット試験 | 統一試験 |
|---|---|---|
| 1. 調べる | 日本商工会議所の「商工会議所ネット試験施行機関」のページなどで会場を探す | 受けたい回を、受験したい地域の商工会議所が行うかを確かめる |
| 2. 申し込む | 申込専用ページでマイページを作り、会場と日時を選ぶ(または会場に問い合わせる) | 商工会議所が決めた申込期間に、決められた方法(窓口・インターネット・郵送など)で申し込む |
| 3. 払う | クレジットカード、コンビニ/Pay-easy | 商工会議所ごとに異なる |
| 4. 受験票など | 申込み後の案内に従う | 受験票が届く。集合時間と会場を確かめる |
| 5. 受験 | 予約した日時に会場へ。パソコンで60分 | 試験日に指定の会場へ。紙で60分 |
| 6. 結果 | 終わった直後に合否。合格ならデジタル合格証 | 後日、商工会議所の発表。合格証書は商工会議所の方法で受け取る |
出典:日本商工会議所「受験の申し込みの流れ(ネット試験)」「受験の申し込みの流れ(各商工会議所窓口)」「ネット試験について」。
統一試験は申込期間が短いことがあります。京都商工会議所の第174回は、受付が約2週間(9月28日〜10月13日)でした。申込期間を逃すと、次の回まで待つことになります(2026年度の日程では、回と回の間は3ヶ月半〜5ヶ月)。統一試験で受けるなら、申込開始の時期を先に予定表へ書き込んでおきましょう。
どんな問題が出るか、ためしに1問解いてみてください。その場で答え合わせができます。
当日の流れと持ち物

ネット試験の当日
日本商工会議所の案内では、ネット試験の持ち物と会場のルールは次のとおりです。
- 身分証明書:氏名・生年月日・顔写真を確認できるもの
- 電卓:計算機能のみのもの。そろばんは持ち込めません
- 筆記具:ボールペンを会場で借りられます
- 計算用紙:A4の紙2枚を会場が用意し、終わったら回収します。自分のノート類は持ち込めません
試験はパソコンの画面で解きます。終わると、システムが自動で採点し、その場で合否が判定されます。結果は紙のスコアレポートで渡され、合格した人は、スコアレポートの二次元コードをスマートフォンなどで読み込んで「デジタル合格証」を受け取ります。デジタル合格証はPDFで保存でき、必要なら印刷もできます。紙やカードの合格証は発行されません。
ネット試験の入力ルール(知らないと失点する)
ネット試験では、答えの入力にいくつか決まりがあります。日本商工会議所が注意として挙げているのは次の3つです。
- 金額は数字だけを入力する:カンマは不要。文字や円マークを入れると不正解になります
- 仕訳はプルダウンで選ぶ:仕訳問題の勘定科目は一覧から選ぶ方式です。3級の出題形式は「選択式+入力式」で、金額や勘定科目名を入力する問題も出ます
- 同じ勘定科目を借方・貸方に2回以上使うと不正解:1つの設問の中で、同じ科目を借方に2回、または貸方に2回使うと不正解になります
3つ目は、紙の勉強では気にしないことが多いので注意が必要です。たとえば、普通預金への入金が2つの取引に分かれている問題でも、1つの設問の中では同じ科目は金額を合計して1行にまとめる、と覚えておいてください。仕訳の左右の考え方は簿記3級の仕訳の覚え方で説明しています。
統一試験の当日
統一試験の持ち物は、全国共通で「受験者本人であることが分かる身分証明書」が案内されています。そのほかは地域の要項に従います。京都商工会議所の要項の例では、受験票、顔写真付きの身分証明書、筆記用具(HBかBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴム)、電卓(四則演算機能のみ)かそろばん、となっています。
集合時間と会場は受験票に書かれています。日本商工会議所は、試験日の1週間前を過ぎても受験票が届かない場合は、申し込んだ商工会議所に問い合わせるよう案内しています。合否発表の日時と合格証書の配り方も、商工会議所ごとに違います。
どちらを選ぶか

ネット試験が向いている人
- 受ける日を自分で決めたい人:休止期間を除けば、勉強の進み具合に合わせて日にちを選べます
- 結果をすぐ知りたい人:終わった直後に合否がわかり、次の計画(2級へ進む、受け直す)をすぐ立てられます
- 近くの商工会議所が3級の統一試験をやっていない人:名古屋の例のように、統一試験がない地域があります
- 2027年3月までに受けたい人:統一試験は2月28日が最後ですが、ネット試験なら3月4日〜31日も今の範囲で受けられます
統一試験が向いている人
- 紙に書きながら解きたい人:問題用紙に直接メモをしたり、下書きを書き込んだりしながら解けます
- そろばんを使いたい人:ネット試験はそろばんを持ち込めません
- 日にちが決まっている方が勉強を続けやすい人:年3回の試験日に向けて計画を立てられます
この記事のおすすめ
迷ったら、ネット試験をおすすめします(この記事の推奨です)。日程の自由がきき、結果もすぐ出るので、3級のように短い期間で勉強する試験と相性がいいからです。日本商工会議所の受験者データでも、2025年度の3級のネット試験の受験者は276,477人で、同じ年度の統一試験3回の実受験者の合計(52,723人、計算値)を大きく上回っています。
ネット試験を選んだら、練習のうちからパソコンやスマホの画面で問題を解くのがおすすめです。紙では解けても、画面だと読み飛ばしが増える人もいます。スマホで練習するなら、学習アプリ「ごうかくっ!」が使えます。簿記3級のオリジナル問題540問(基礎・取引の仕訳・帳簿・決算・財務諸表の5分野)に、選択肢ごとの解説が付いています。動画レッスンは全62本・1本3分前後で、リスのキャラクター「ボキりす」が黒板で1テーマずつ説明します。学習マップと「今日の3問」もあり、登録は無料です。
勉強を始める時期と、受験日までのスケジュールは簿記3級の勉強時間とスケジュールにまとめています。
よくある質問

Q. ネット試験の方がやさしいのですか?
日本商工会議所は、ネット試験と統一試験のむずかしさの違いについて何も示していません。出題範囲は同じ出題区分表で、合格の扱いも同じです。合格率は、ネット試験が年度ごと(2025年度は40.8%)、統一試験が1回ごと(第173回は33.8%)と集計のしかたが違うので、数字だけを比べて「やさしい」とは言えません。
Q. ネット試験に落ちたら、すぐ受け直せますか?
ネット試験は休止期間を除いて随時行われているので、空いている日時に申し込めば受け直せます。日本商工会議所の「ネット試験について」のページには、同じ級を受け直すまでの間隔についての記載はありませんでした(2026年11月2日確認)。申し込むときに、会場や申込専用ページの案内を確かめてください。
Q. ネット試験の会場はどうやって探しますか?
日本商工会議所の検定試験サイトに「商工会議所ネット試験施行機関」のページがあり、そこから会場を探せます。日商簿記(2級・3級)は、業務の委託先である株式会社CBT-Solutionsの申込専用ページからも申し込めます。会場によって、実施する曜日や時間帯、事務手数料(0円から異なる)が違うので、いくつか比べてから選ぶのがおすすめです。
Q. ネット試験は自宅で受けられますか?
日本商工会議所の案内では、ネット試験は各地の試験会場で受ける形で、持ち物(身分証明書・電卓)や、会場が用意する計算用紙・ボールペンのルールが決められています。自宅で受けられるという案内はありません。
Q. 統一試験に申し込んだあと、ネット試験に変えられますか?
地域によって扱いが違うので、申し込んだ商工会議所に確かめてください。たとえば京都商工会議所の要項では、申込み後のネット試験への振替はできないと書かれています。
Q. ネット試験の合格は、履歴書に書けますか?
書けます。日本商工会議所は、ネット試験の合格は統一試験の合格と同じ扱いだとしています。合格証は紙ではなくデジタル合格証(PDF)なので、提出を求められたときは、保存したPDFを印刷するなどして使います。
Q. 2027年4月以降も、ネット試験と統一試験の両方がありますか?
日本商工会議所は、2027年4月1日から適用する新しい出題区分表について「統一試験、ネット試験、および団体試験いずれも」新しい区分表で出題するとしています。2027年度の具体的な試験日と休止期間は、まだ発表されていません(2026年11月2日時点)。改定の中身は簿記3級の2027年度改定で変わることで説明しています。
まとめ

- ネット試験と統一試験は、合格の扱いも出題範囲も同じ。違うのは日程・申込先・答え方・結果の出方
- ネット試験は会場が決めた日に随時(休止期間あり)。申込みは申込専用ページか会場へ。受験料3,300円+事務手数料550円(会場により異なる)
- 統一試験は年3回、申込みは地域の商工会議所。統一試験をやっていない地域・回がある(名古屋は2・3級を施行せず、京都は第175回を施行せず)
- ネット試験は金額を数字だけで入力し、仕訳はプルダウン。同じ科目を借方・貸方に2回以上使うと不正解
- 迷ったらネット試験がおすすめ(この記事の推奨)。今の範囲で受けられるのは2027年3月31日まで
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3級と2級の違い、試験の全体像は、日商簿記3級・2級の違いと選び方にまとめています。





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