本ページはプロモーション(広告)を含みます。
ITパスポートの勉強で「とにかく過去問」と言われても、どこで手に入れて、何年分を、どう回せばいいのかまでは教えてもらえないことが多いはずです。
先に結論を書きます。ITパスポートの過去問は、IPA(情報処理推進機構)が「公開問題」として無料で公開していて、許諾も使用料もいりません。使い方は、直近3年度分(300問)を、分野別→間違えた問題→本番と同じ120分の通し、の順に3周するのがおすすめです。
この「3年度分・3周」はIPAが示している数字ではなく、この記事の推奨です。理由も含めて、計画表・間違いノートの作り方・弱点の見つけ方まで、その場で使える形でまとめました。試験の仕組みや数値は、IPAの公式サイトで2026年10月31日に確認したものです。
過去問はIPAの「公開問題」で無料で手に入る

IPA公式の公開問題:令和8年度分まで公開
ITパスポートの過去問は、IPAの「過去問題」のページで公開されています。2026年10月時点で、最新は令和8年度分、古いものは平成21年度(春期・秋期)分まであります。ファイルは「問題冊子」と「解答例」のPDFです。
FAQによると、公開されるのは出題した試験問題の中から100問で、掲載は毎年4月ごろの予定です。100問はちょうど本番1回分の問題数なので、1年度分を通しで解けば本番の練習になります。
使うのに許諾も使用料もいらない
IPAは、公開問題を使うのに許諾や使用料は必要ないとしています(法令に特別の定めがある場合を除く)。ダウンロードして使うのも問題ありません。ただし著作権は放棄していないので、ブログやノートで問題を人に見せるときは出典を書きます。問題の一部を変えたときは、その旨も書きます。IPAが示している出典の書き方は「出典:平成○年度 ○期分 ITパスポート試験 問1」という形です。
この記事で問題を引用するときも、この形で出典を書いています。
公開問題は「本番の全問」ではない
ITパスポートはパソコンで受けるCBT方式で、受ける日によって出る問題が違います。公開問題は、その中から選ばれた100問です。つまり、公開問題を全部覚えても、本番に同じ問題がそのまま並ぶわけではありません。IPAも「過去問と同じ問題が出る」とは言っていません。
公開問題は「出題の形式」と「よく問われる論点」をつかむための材料、と考えるのが正確です。
PDF以外で解くなら:過去問サイト・アプリの選び方
PDFを印刷して解くのは手間がかかるので、民間の過去問サイトやアプリを使う人も多いと思います。どれを使うにしても、次の3点を見て選ぶと失敗が少なくなります。
- 解説があるか:正解の記号だけでは、次に同じ論点が違う聞き方で出たときに解けません
- 出典(年度・問番号)が書いてあるか:IPAの利用条件では出典の明記が必要です。出典がない問題は、どこから来た問題か確かめられません
- 新しい年度の問題が入っているか:古い年度だけだと、出題範囲(シラバス)の改訂前の用語が混じります
何回分・何周やればいいか

まずは直近3年度分(300問)
おすすめは、令和8年度・令和7年度・令和6年度の3年度分、合わせて300問です。新しい年度から使う理由は、ITパスポートの出題範囲が見直され続けているからです。古い年度ほど、今の出題範囲では扱いが変わった用語や、名前が変わった法令が混じります。
300問を3周すれば、延べ900問を解くことになります。1問を平均2分(解く時間+解説を読む時間)とすると約30時間です。講座会社などが示す学習時間の目安(100〜180時間)のうち、2割弱から3割を過去問に使うイメージです。勉強時間全体の組み立ては、ITパスポートの勉強時間と独学スケジュールで詳しく書いています。
3周の回し方
同じ300問を3回、同じやり方で解くのはおすすめしません。周ごとに目的を変えます。
| 周 | やり方 | 目的 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1周目 | 分野別に解く(ストラテジ→マネジメント→テクノロジ)。1問ごとに解説を読む | どんな論点が出るかを知る。わからない用語を拾う | 1問2〜3分 |
| 2周目 | 1周目で間違えた問題と、勘で当たった問題だけを解き直す | 弱点をつぶす。間違いノートを育てる | 1問2分前後 |
| 3周目 | 1年度分100問を、120分で通して解く(3年度分なので3回) | 時間配分と集中力の練習。分野ごとの正答率を出す | 1回120分+見直し |
※時間の目安と周の分け方は、この記事の推奨です。IPAが示しているものではありません。
ポイントは2周目です。「勘で当たった問題」も間違えた問題と同じ扱いにします。1周目で解くときに、自信がなかった問題には印(△など)を付けておくと、2周目で拾えます。
過去問はいつから始めるか
テキストを全部読み終えてから過去問に入ると、読み始めのころの内容を忘れていて、結局テキストに戻ることになりがちです。テキストを1分野読み終えたら、その分野の過去問を解く、と交互に進める方が定着します。
1周目と2周目はインプットと並行して、3周目の通し演習は試験日の2〜3週間前に入れるのが目安です。
4週間で3周する計画表(例)
テキストをひととおり読み終えた人が、残り4週間で3年度分を3周する場合の例です。平日1時間、休日2〜3時間を想定しています。
| 週 | 平日(1日1時間) | 休日 |
|---|---|---|
| 第1週 | 1周目:ストラテジ系(3年度分) | 1周目:マネジメント系 |
| 第2週 | 1周目:テクノロジ系 | テクノロジ系の残り+間違いノートの整理 |
| 第3週 | 2周目:×と△の問題だけ(分野の順は自由) | 3周目①:令和6年度分を120分で通し |
| 第4週 | 通しで間違えた問題の解き直し、間違いノートの見直し | 3周目②③:令和7年度分・令和8年度分を120分で通し |
通し演習は、最新の令和8年度分を最後に取っておくと、本番に一番近い形で仕上がりを確かめられます。
古い年度の問題を使うときの注意
3年度分を解き終えて、まだ時間があるなら、さらに前の年度に手を広げてもかまいません。そのときは出題範囲(シラバス)の改訂に注意してください。ITパスポートのシラバスは、2026年1月8日にVer.6.5が掲載されました。主な変更は法令名で、「下請法」が削られ「中小受託取引適正化法」が加わっています。
古い年度の法令や制度の問題は、今も同じ名前・同じ内容かをテキストで確かめてから覚えます。どの試験から新しいシラバスが使われるかは、受験する時期にIPAの公式サイトで確認してください。
「過去問だけで受かる?」への答え

過去問だけで合格する人はいます。ただし、それは「過去問の答えを覚えた人」ではなく、「過去問を使って、論点を理解した人」です。
先に書いたとおり、本番に同じ問題が出るとは限りません。同じ論点でも、本番では聞き方が変わったり、正解だった用語が別の問題では間違いの選択肢として出てきたりします。正解の記号(アイウエ)や、正解の選択肢の文だけを覚えても、聞き方が変わると対応できません。
正解以外の3つの選択肢も説明できるか
過去問を「理解した」と言えるかどうかは、正解以外の3つの選択肢が「何の説明か」を言えるかで確かめられます。例を1つ見てみます。
- 問題:システム開発のプロジェクトマネジメントにおけるWBSの説明として,最も適切なものはどれか。
- ア クリティカルパス上の作業を記載したものである。
- イ 主要な成果物に関する予定開始日と予定終了日を記載したものである。
- ウ 全ての成果物を作成するための作業を階層的に分解して記載したものである。
- エ プロジェクトで使用するツールを記載したものである。
出典:令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問39
正解はウです。ここで止めずに、ほかの選択肢も見ていきます。アの「クリティカルパス」はPERT図などで求める、遅れると全体が遅れる作業の経路のこと。イの「予定開始日と予定終了日」を示すのは、ガントチャートなどのスケジュールです。エのツールの一覧は、WBSの説明にはあたりません。
こうして見ると、1問の中に「WBS」「クリティカルパス」「ガントチャート」と、マネジメント系で問われやすい用語が3つ入っています。1問から3〜4個の用語を回収するつもりで解くと、同じ300問でも得られる知識の量が大きく変わります。
解けたかどうかを分ける3段階
解いた問題は、次の3段階で自己採点すると、2周目に何を解き直すかがはっきりします。
| 印 | 状態 | 2周目 |
|---|---|---|
| ○ | 正解し、ほかの選択肢も説明できる | 解かない |
| △ | 正解したが、勘や消去法だった | 解き直す |
| × | 不正解 | 解き直す(間違いノートに書く) |
ためしに、IPAの公開問題から1問解いてみてください。その場で解けます。解いたら、正解以外の選択肢も説明できるか確かめてみましょう。
解説の読み方と、間違いノートの作り方

間違えた問題の解説を読んで「なるほど」で終わると、2週間後にまた同じ問題で間違えます。解説を読んだら、なぜ間違えたのかを短く書き残しておきます。
間違えた理由を3つに分ける
ITパスポートの間違いは、だいたい次の3つのどれかです。理由によって、やり直し方が変わります。
| 理由 | 例 | やり直し方 |
|---|---|---|
| 知らない | 用語の意味を知らなかった | テキストのその項目を読み直し、用語を間違いノートに書く |
| 取り違えた | 似た用語(例:WBSとガントチャート)を混同した | 2つの用語を並べて、違いを1行で書く |
| 計算ミス・読み違い | 式は合っていたが計算を間違えた/「適切でないもの」を見落とした | 解き方を書き出す。問題文の否定語に印を付ける癖をつける |
自分の×が、どの理由に偏っているかを見るだけでも、勉強のやり方を変えるヒントになります。「知らない」が多ければインプットが足りず、「取り違えた」が多ければ用語どうしの比較が足りていません。
用語は「意味・対になる語・例」の3点で書く
間違いノートは、きれいにまとめる必要はありません。1つの用語につき、次の3点を1〜2行ずつ書けば十分です。
- 意味:自分の言葉で1行(例:WBS=作業を階層的に細かく分けた一覧)
- 対になる語・まぎらわしい語:一緒に問われやすい用語(例:ガントチャート=日程を横棒で示す表)
- 例:身近な場面に置きかえる(例:引っ越しの作業を「荷造り→部屋ごと→箱ごと」と分けていくのがWBS)
カタカナや略語の多い用語の覚え方は、ITパスポートの用語の覚え方でまとめています。
計算問題は「解き方」を書き出す
計算問題の×は、答えの数字を書いても意味がありません。式の立て方を1行目から書き出し、どこで間違えたかに印を付けます。同じ型の問題が別の数字で出ても解けるようにするためです。出やすい計算の型はITパスポートの計算問題の対策にまとめています。
分野別の基準点で落ちないための弱点チェック

ITパスポートは、総合点だけで合否が決まる試験ではありません。合格の条件は次の2つを両方満たすことです(IPA公式)。
- 総合評価点が600点以上(1,000点満点)
- ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の分野別評価点が、それぞれ300点以上(各1,000点満点)
つまり、総合で600点を超えていても、1つの分野が300点に届かなければ不合格です。過去問の通し演習では、総合の正答率だけでなく分野ごとの正答率を必ず出してください。
出題数と、評価に使われる問題数
| 分野 | 出題数 | 評価に使われる問題数 |
|---|---|---|
| ストラテジ系(経営全般) | 35問程度 | 32問 |
| マネジメント系(IT管理) | 20問程度 | 18問 |
| テクノロジ系(IT技術) | 45問程度 | 42問 |
| 合計 | 100問 | 92問 |
出典:IPA「試験内容・出題範囲」(2026年10月31日確認)。残りの8問は、今後出題する問題を評価するために使われます。
マネジメント系は評価に使われるのが18問と、ほかの2分野より少なくなっています。問題数が少ないぶん、何問か落とすだけで分野の評価が大きく下がりやすいと考えておくのが安全です。
ただし、ITパスポートの採点はIRT(項目応答理論)という方式で、正解した数をそのまま点数にするわけではありません。そのため「1問何点」「何問正解すれば合格」とは言えません。過去問の正答率も、本番の評価点とそのまま一致するものではないので、自分の弱点を見つけるための目安として使ってください。採点のしくみはITパスポートの合格点と採点のしくみで詳しく説明しています。
通し演習のあとの弱点チェック表
通しで100問解いたら、次のように分野ごとに記録します。3回分(3年度分)並べると、毎回落としている分野が見えてきます。
| 分野 | 正解数/出題数 | 正答率 | ×の主な理由 |
|---|---|---|---|
| ストラテジ系 | /35 | % | (例:法務の用語を知らない) |
| マネジメント系 | /20 | % | (例:開発工程の用語を取り違えた) |
| テクノロジ系 | /45 | % | (例:計算ミス) |
※公開問題の分野ごとの問題数は、年度によって多少違うことがあります。解答例のPDFで確かめて、分母を合わせてください。
どの分野にも極端に低いところがなく、通しの正答率が安定してきたら、仕上がりの目安になります。逆に、1つの分野だけ低いなら、残りの時間はその分野の問題に集中します。
本番形式に慣れる:IPAのCBT疑似体験ソフト

紙やスマホで解くのと、試験会場のパソコンで解くのとでは、目の動かし方や見直しのしかたが違います。IPAは、本番の受験画面を体験できるCBT疑似体験ソフトを無料で配布しています。
- 試験会場で操作する受験画面を体験できる
- 公開問題を解答でき、終わると問題ごとの正誤と正答数を確認できる
- 平成24年度春期分以降の公開問題(全100問)が収録されている。公開時期ごとにソフトが分かれている
- Windows 11で動く(.NET Framework 3.5の有効化と、IPAゴシックフォントのインストールが必要)
3周目の通し演習のうち、1回はこのソフトで解いておくと、本番で画面の使い方に戸惑わずに済みます。試験は120分で100問なので、平均すると1問あたり72秒です。計算問題や長い問題に時間を取られすぎていないか、通しで解いたときに確かめておきましょう。
パソコンの前に座れない日は、スマホで過去問を少しずつ進める方法もあります。学習アプリ「ごうかくっ!」では、ITパスポートのIPA公開問題を3年度分(令和6〜8年度、計300問)解けて、わからなかったテーマはカワセ先生の3分前後の動画レッスンで確かめられます。毎日の「今日の3問」もあり、登録は無料です。この記事で勧めた「直近3年度分」が、そのまま入っています。
本番形式の練習をもっと積みたい人は、模擬試験の活用法も参考にしてください。
よくある質問

Q. 評価に使われない8問は、本番で見分けられますか?
IPAは、100問のうち8問が今後出題する問題の評価に使われると公表していますが、どれがその8問かは示していません。受験者には見分けられないので、全問を本気で解くしかありません。「見慣れない問題は採点対象外だろう」と飛ばすのはやめましょう。
Q. 古い年度の過去問をやる意味はありますか?
直近3年度分を終えて時間が余っているなら、意味はあります。基本的な用語や計算の型は、年度が変わっても問われ続けるものが多いからです。ただ、法令名や制度は改訂で変わることがあるので、古い年度の法務・制度の問題は、今のテキストで内容を確かめてから覚えてください。
Q. 過去問は印刷した方がいいですか?
本番はパソコンの画面で解き、机に置けるのは確認票・受験者注意説明書と、会場で用意されるメモ用紙・シャープペンシルだけです(IPAのFAQ)。印刷して書き込みながら解く方が理解しやすい人は印刷してかまいませんが、通し演習のうち少なくとも1回は、画面で解いてメモ用紙に計算する形で練習しておくのがおすすめです。
Q. 過去問の正答率が何割になったら受けていいですか?
IRT方式で採点されるため、「過去問で何割取れたら合格」という公式の基準はありません。目安としては、通し演習で3分野とも安定して半分を大きく超え、総合でも6割を超える状態を、年度を変えて何度か出せることです。これはこの記事の目安で、合格を保証するものではありません。
Q. 独学の過去問演習だけでは不安です
過去問を解いても解説の意味がわからない、計画を自分で守れない、という場合は、講義と問題演習がセットになった通信講座を使う方法もあります。講座ごとの過去問の収録数や質問の回数はITパスポートの通信講座の比較で比べています。
まとめ

- ITパスポートの過去問は、IPAが「公開問題」として無料で公開している(2026年10月時点で令和8年度分まで)。許諾も使用料もいらないが、人に見せるときは出典を書く
- 直近3年度分(300問)を、分野別→×と△の解き直し→120分の通し、の順に3周する(この記事の推奨)
- 同じ問題が出るとは限らない。正解以外の3つの選択肢も説明できるかで、理解を確かめる
- 合格は総合600点以上、かつ3分野それぞれ300点以上。通し演習では分野ごとの正答率を出して、弱い分野をつぶす
- 通し演習の1回は、IPAのCBT疑似体験ソフトで本番の画面に慣れておく
試験の全体像(合格率・申込み・試験の流れ)は、ITパスポート試験完全ガイドにまとめています。





コメント