【2026年最新】第二種電気工事士の難易度と勉強法|合格率・技能試験の候補問題を解説

配線作業をする手元 個別資格

第二種電気工事士には、他の国家資格ではあまり見ない特徴があります。技能試験の問題が、試験の前に公表されるということです。

13問の候補問題があらかじめ発表され、そのなかから1問が出題されます。何が出るかは当日までわかりませんが、出る可能性のあるものはすべて事前にわかっているのです。

この記事では、令和7年度(2025年度)の実績をもとに、試験の仕組みと準備の進め方を整理します。

第二種電気工事士とはどんな資格か

電球とペンチが並んだ作業台

電気工事の入口となる国家資格

第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗の電気工事を行うための国家資格です。コンセントの増設、照明器具の取り付け、配線工事といった作業は、資格がなければ行えません

電気工事士法にもとづく業務独占資格で、無資格での工事は法律で禁じられています。DIYで自宅のコンセントを増設することもできません。この「資格がなければできない」という性格が、需要の安定につながっています。

扱える範囲は、600ボルト以下で受電する設備に限られます。ビルや工場などの大規模設備を扱うには、第一種電気工事士が必要です。

試験の基本データ

実施機関 一般財団法人 電気技術者試験センター
受験資格 なし(年齢・学歴・実務経験の制限なし)
試験回数 年2回(上期・下期)
学科試験 CBT方式または筆記方式を選択
技能試験 学科合格者が受験。候補問題13問から1問が出題
受験手数料 インターネット申込 11,100円/書面申込 12,500円
合格率 学科 57.7%/技能 72.0%(令和7年度上期)
学習時間の目安 50〜100時間

数値は2026年8月時点で確認できたものです。学習時間は一般に言われている目安です。日程・料金の最新情報は電気技術者試験センターの公表内容をご確認ください。

試験は学科と技能の2段階

圧着工具とケーブル、端子台

学科試験は受け方を選べる

学科試験には、CBT方式と筆記方式の2つの受け方があります。

CBT方式は、指定された期間内に会場を予約し、パソコンで受験する形式です。都合のよい日時を選べるため、仕事の調整がしやすくなります。筆記方式は従来どおり、決められた日に会場で紙の問題を解く形式です。

どちらを選んでも、合格の扱いは同じです。申し込みの段階でどちらかを選択します。

出題は電気の基礎理論、配線図、法令、施工方法など。4択のマークシートで、6割の正答で合格です。

技能試験は候補問題が事前に公表される

この試験の最大の特徴です。毎年1月ごろ、その年度の技能試験の候補問題13問が公表されます。試験当日は、そのなかから1問が出題されます。

13問には、スイッチで複数の負荷を操作する回路、パイロットランプを含む回路、タイムスイッチを含む回路、三相と単相が混在する回路などが含まれます。

技能試験では、支給された材料を使って、40分以内に指定された配線を完成させます。採点は減点方式で、欠陥が1つでもあれば不合格です。時間内に完成させたうえで、正確さが求められます。

裏を返せば、13問すべてを練習しておけば、当日は必ず「やったことがある問題」が出るということです。準備の量がそのまま結果に結びつく試験だと言えます。

合格率から見た難易度

学科試験 57.7%(令和7年度上期)
技能試験 72.0%(令和7年度上期)

学科がおよそ6割、技能がおよそ7割。国家資格としては高い水準の合格率です。

ただし技能試験の72%という数字には、注意が必要です。技能試験を受けられるのは学科の合格者だけなので、母集団はすでに絞られています。そのなかで3割近くが落ちているという見方もできます。

技能試験で不合格になる理由の多くは、時間切れと欠陥です。知識ではなく、手を動かした量が結果を分けます。

効率的な勉強法

ケーブルを切る電工ペンチ

学科は過去問を繰り返す

学科試験は、過去問との重複が多い試験です。テキストを一周したら、あとは過去問を年度別に繰り返すのが最短の道になります。

計算問題が苦手な場合、そこを捨てるという選択もあり得ます。合格ラインは6割なので、配線図と法令、施工方法を確実に取れば届きます。ただし完全に捨てるのではなく、公式を覚えるだけで解ける問題は拾っておきたいところです。

技能は工具と材料を揃えるところから

技能試験の準備には、工具と練習用の材料が別途必要です。ここは受験手数料とは別の出費になります。

工具は、ワイヤーストリッパー、圧着ペンチ、電工ナイフ、ドライバー、ペンチなど。試験では持参した工具を使います。練習用材料は、ケーブルや器具がセットになったものが市販されています。

練習の進め方としては、まず個々の作業(複線図を書く、被覆を剥く、リングスリーブで圧着する)を確実にできるようにしてから、13問の課題に取りかかるのが効率的です。

複線図を書けるようにする

技能試験では、与えられた単線図から複線図を起こす必要があります。ここでつまずくと、その先の作業がすべて狂います

複線図を書く手順は決まっているので、13問すべてについて、手が勝手に動くまで練習しておくと安心です。実際の作業時間を確保するためにも、複線図は5分以内に書き上げたいところです。

取得後のキャリア

電気工事会社への就職・転職が最も直接的な道です。未経験からこの業界に入る際、資格の有無で扱いが変わります。

設備管理・ビルメンテナンスの分野でも評価されます。ビル管理の仕事では、電気工事士のほかに危険物取扱者やボイラー技士などを組み合わせて持つことが多く、その中核となる資格のひとつです。

第一種電気工事士へのステップとしても位置づけられます。第一種は試験に合格しても、免状の取得には実務経験が必要です。まず第二種を取って実務に就く、という順序が一般的です。

また、自宅の電気工事を自分で行えるようになるという実用的な側面もあります。コンセントの増設や照明の交換など、資格がなければ業者に頼むしかない作業を、自分でできるようになります。

まとめ

  • 第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗の電気工事に必要な業務独占資格
  • 受験資格に制限はなく、誰でも受験できる
  • 学科試験はCBT方式と筆記方式から選べる。合格ラインは6割
  • 技能試験は候補問題13問が事前に公表される。そのなかから1問が出題される
  • 技能試験は40分以内に配線を完成させる。欠陥が1つでもあれば不合格
  • 令和7年度上期の合格率は学科57.7%、技能72.0%。学習時間の目安は50〜100時間
  • 技能試験には工具と練習用材料が別途必要

この試験は、努力が結果に結びつきやすい試験です。技能試験の出題範囲が公開されているという点で、これほど準備しやすい国家資格は多くありません。

逆に言えば、練習量が足りなければ落ちます。まずは工具と材料を用意して、手を動かすところから始めてください。

コメント