災害の多い日本では、防災の知識がそのまま自分と家族を守る力になります。防災士は、その知識を体系的に身につけたことを示す民間資格です。2日間の研修と試験で取得でき、合格率も高いため、社会人が最初に取る資格としても向いています。
この記事では、以下の内容をお届けします。
- 防災士という資格の位置づけ
- 取得までの5つのステップ
- 費用の内訳と自治体の補助制度
- 研修と試験の実際の内容
- 取得後に活かせる場面
防災士とは?
防災士は、特定非営利活動法人 日本防災士機構が認証する民間資格です。国家資格ではないため独占業務はありませんが、地域や職場で防災の中心になる人材として位置づけられています。
阪神・淡路大震災の教訓から、行政による「公助」だけでは限界があるという認識が広がりました。防災士はそのなかで、自分の身を守る「自助」と、地域で助け合う「共助」の担い手を増やすことを目的につくられた資格です。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証機関 | 日本防災士機構 |
| 資格の種類 | 民間資格 |
| 取得方法 | 研修講座の受講+試験合格+救急救命講習の修了 |
| 研修期間 | 2日間(集合研修) |
| 試験形式 | 三択式 / 30問 |
| 合格基準 | 30問中80%以上(24問以上)の正答 |
| 合格率 | 約90%以上 |
| 費用 | 約60,000円(研修費・受験料・登録料の合計) |
| 更新 | 不要(永久有効) |
取得までの5ステップ
防災士は試験だけを受けて取れる資格ではありません。研修と講習を含めた一連の流れを修了する必要があります。
| 手順 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 研修講座に申し込む | 日本防災士機構の認証を受けた研修機関を選ぶ | 随時 |
| 2. 事前学習レポートを提出 | 教本を読み、指定の課題に取り組む | 2〜4週間 |
| 3. 集合研修を受講 | 2日間の講義。12講座以上の受講が必要 | 2日 |
| 4. 防災士資格取得試験 | 研修最終日に受験。30問・三択式 | 当日 |
| 5. 救急救命講習を修了 | 消防署や日本赤十字社などが実施する3時間以上の講習 | 半日 |
順番は前後しても構いません。救急救命講習を先に受けておき、研修後すぐ登録申請する人もいます。過去5年以内に受講した救急救命講習の修了証があれば、それを使えるため、職場の講習などで既に受けている人は確認してみてください。
登録まで
試験に合格し、救急救命講習の修了証が揃ったら、日本防災士機構に登録申請します。認証状と防災士証が交付されて、正式に防災士となります。
費用の内訳と補助制度
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 研修講座受講料(教本代含む) | 約49,000〜52,000円 |
| 資格取得試験の受験料 | 3,000円 |
| 認証登録料 | 5,000円 |
| 合計 | 約57,000〜60,000円 |
決して安くはありませんが、自治体による受講費用の補助制度が用意されている場合があります。地域の防災リーダーを増やす目的で、自主防災組織の推薦を受けた人には全額または一部を補助する自治体は少なくありません。
お住まいの市区町村の防災担当課に問い合わせるか、自治体のウェブサイトで「防災士 助成」などと検索してみてください。勤務先が費用を負担するケースもあります。
研修と試験の中身
研修で学ぶこと
2日間の集合研修では、防災の基礎知識を幅広く扱います。
- 地震・津波のメカニズムと被害の特徴
- 風水害、土砂災害への備え
- 避難所の運営と生活
- 災害時の情報収集と伝達
- 家庭での備蓄と住宅の耐震
- 自主防災組織のつくり方と地域活動
- 災害と法制度、行政の役割
講義形式が中心ですが、図上訓練やグループワークを取り入れる研修機関もあります。
試験の難易度
試験は研修最終日に行われ、30問中24問(80%)以上の正答で合格です。合格率は90%を超えます。
出題は教本と研修で扱った内容から素直に問われます。事前学習レポートに真面目に取り組み、研修中に強調された箇所を押さえておけば、まず落ちることはありません。万一不合格でも、後日の再受験が可能です。
防災士を活かす場面
- 自主防災組織のリーダー:訓練の企画、防災マップづくり、要配慮者の把握
- 職場の防災担当:避難計画の策定、備蓄品の管理、安否確認の仕組みづくり
- 企業のBCP(事業継続計画):災害時に事業を止めない体制づくりに関わる
- 学校のPTAや町内会:防災訓練や啓発活動の中心になる
- 災害ボランティア:被災地支援で知識を活かす
- 家庭内:備蓄・家具固定・避難経路の見直しを主導する
就職や転職で直接評価される場面は限られますが、自治体の防災担当職員や、施設管理・不動産管理の職種では加点材料になることがあります。マンション管理組合の理事や、福祉施設の職員が取得するケースも増えています。
取得を検討するときの注意点
- 国家資格ではないため、資格そのもので独占業務はできない
- 費用が約6万円かかる。補助制度の有無を先に確認する
- 研修は2日間の集合形式。日程を確保できるか事前に確認する
- 更新は不要だが、防災の制度や知見は変わるため、取得後も情報を追う姿勢が必要
まとめ
- 防災士は日本防災士機構が認証する民間資格
- 研修2日間+試験+救急救命講習の修了で取得できる
- 合格率は90%以上。事前学習と研修受講で十分合格できる
- 費用は約6万円だが、自治体の補助制度が使える場合がある
- 更新不要で永久に有効
- 地域・職場の防災リーダーとして知識を活かせる
防災の知識は、資格の価値以前に自分と大切な人を守る力になります。取得のハードルは高くないので、関心があるうちに動いてみてください。



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